しばり龍の伝説について

 昔むかし、犀川の末江の妙見宮(大祖神社)が作られたとき竹田番匠(たけだばんしょう)という名大工を呼んで神社を作ってもらった。その番匠は見事な神社を作り、仕上げに本殿に立派な龍の彫刻を刻んで帰って行きました。ところがあるとき村で不思議なことが起こり始めました。それは、雨でもないのに夜になるとお宮の近くに黒い雲がでて、雷が鳴り響き、嵐のような風が吹き荒れ、お宮のそばの池に大波が立つのでした。それでも次の朝には晴れて何事もなかったことのようになるため、村人はそのうちにたいしたことはないと思うようになりました。

 ところがある日の朝、村人の一人がお参りをしようとお宮にきてびっくり、雨もふっていないのに本殿が水びたしで、龍の彫刻からは雫が滴りおちていました。これは龍が池で夜中に暴れて不思議な事をおこしているのだと思いました。

 これを村の人たちに話すと「それは困ったな。どうにかならんかな。そうだ生立のお宮の宮司さんに相談しよう。」ということになりました。

 それを宮司さんに相談すると「わかりました。それではその龍の彫刻を生立のお宮で預かりましょう。だが、末江のお宮に龍の彫刻がないのもいけないだろうから、代わりに生立のお宮の龍の彫刻を持ち帰りなさい。」と言われ、末江の村人は喜んで持ち帰りました。

 しかし、生立のお宮にきて、十日ぐらいした頃にまた龍が生立の池で暴れ始め、困った宮司は、神社に七昼夜籠もり御祈祷をし、鎖で龍を縛りました。すると龍はその日からぴったりと暴れることはなくなり、平穏を取り戻しました。 おしまい。

と言う約200年前から当宮に伝わるしばり龍の伝説でした。

生立八幡宮

福岡県京都郡みやこ町犀川生立鎮座  生立八幡宮(おいたつはちまんぐう)の公式ホームページです

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